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部屋とYシャツとわらG

部屋とYシャツとわらG

小学校3年生 夏休み

2007/07/22
ポニーと 「障害児と生きる日常(38040)」 [ 最近のことの日記 ]
 地元の特別支援学校(養護学校)の夏祭りに出かけた。

 Sは家でごろごろしていたいのか、お出かけの理由がわからないものにはギャーギャー騒いで抵抗。やっと連れ出した。

 少し離れた会場で、ポニー乗馬体験をやっていた。祭りスタート直後はイベントの方にお客さんが行っているのでがらがら。

 ついについに、「初乗馬体験」できそうなムードだ。

 4年くらい前は、会場に近づいた時点で大泣き。毎週、テレビの競馬中継を見せた成果(笑)か、馬に興味津々。

 近づいていって、指導員さんの「さわってごらん」の声に肩のあたりをなでなで。

 しばらくして馬が嫌がっていると思ったら、いつのまにか爪を立てて強めになでている…。

 「じゃあ、乗ってみようか」と指導員さんがだっこしようとすると、突然しゃがみ込んではい回る。

 馬の後ろ足の足下に逃げ込もうとするなど、そっちの方がよっぽど危険なのだが、上に乗るのはイヤらしい。

 他の人が乗るところを見せたり、数回試みたが、今回は断念。まあさわれたからよしとしよう。

 イルカセラピーみたいなのがあるみたいに、乗馬もなんかいいだろうとは思うのだが、私たち両親の方も乗ったことがないし…。

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2007/07/22
地球儀 「障害児と生きる日常(38040)」 [ 最近のことの日記 ]
 いらない広告紙や、漫画雑誌のカラー広告をはがして、細かくちぎってひらひらさせるのが、Sの余暇の過ごし方の一つである。

 最後にちゃんとゴミ箱に入れる…というのを条件にしつけてきたが、結構途中で不機嫌になってばらまいたり…とかもあって、「2階の掃除担当」である私としてはとても迷惑である。

 そんなS、先週のこと、掃除したての部屋には広告もなく、探し出してきた紙も「それはダメ」とことわられた。

 その後、私は少し昼寝してしまったのだが、Sはおとなしくしているので、安心していた。

 30分くらいして目覚めると…

 忘年会のビンゴで当たった地球儀(たぶん100円ショップで購入されたもの)が、「ただの球体」になっていた。

 見た時には、ミカンの皮を縦に向いたようなあの紙の状態(経線に沿って切り取った球の展開図のような)で地図は存在していたのだが、すでに数枚が破かれている…。

 これは復元は無理と思い、「どうぞ」と言うと、うれしそうに残りの紙をちぎっていた。

 それにしても、よくこれが紙だと見破ってはがしたもんだ…。持ち主は知らなかったのに。

 ちなみに今時のちゃんとした地球儀は、「紙貼り」式ではなくて、平たい時にセルロイドだかプラスティック?に印刷して、それをそのまま機械で半球状に押し出して作っていますのでご参考までに。(昔、帝国書院で工場見学させてもらった。伸ばした時にちょうどよくなるように印刷するのが「企業秘密」だそうだ。)

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2007/07/23
お盆の怪 「障害児と生きる日常(38041)」 [ 最近のことの日記 ]
 もう10日くらい前のことになるが、Sは日帰りで妻の母方(私の義母)の実家に行った。このあたりではなぜか旧盆ではなくて、暦通りのお盆…ならしい。「らしい」というのは、私は毎年行かないから(笑)よく知らないのだが、とにかくこの一族は集まるのが好きで、我が家も何かにつけて行かされていたのだが、もうおじいさんもおばあさんも亡くなったので、お二人に会いに行くという理由もなくなり、それでもその家(独身の妻のおじさん二人が住む)に毎月ペースで他のみなさんは行っている。ようは義母の思うまま、気分次第で急に行くことになるのだ。

 私は行ってもつまらないし、年2回くらいだけにしているが、妻とSは義父母とともに行く。そういう時は私はノビノビと留守番!

 で、10日前に何があったかというと、Sはその実家でいつものように室内階段で遊んでいた。階段の先はおじさんの部屋だ。そこには入っては行けないことになっているのだが、以前からふざけて入って、呼びかけられると出てきていたらしい。

 この日はしばらくしても出てこない。出てくる代わりに妻が聞いた音は、「パタパタパタ」という足音と「ヒュー」というご機嫌な叫び声。

 何かおかしいと思い、部屋に入ると、もぬけの殻…。 開けられた網戸から外を見ると…

 なんと屋根の上にSの姿! 

 出ているだけではなくて、さらに、瓦屋根の上を、ご機嫌な奇声を発しながら走り回っていた…そうだ。

 呼んでも、戻ってこない。ニヤニヤしてより端っこの方に行く。

 1階に助けを呼びに行き、おじさんが窓から出て、そろりそろりと近づいて、やっとつかまえることができた。

 ご近所の人も心配して見に来たり、屋根の下には布団を持った義母がうろうろしたり…大変な騒ぎだったらしい。

 とりあえず落ちなくてよかった。さすがはジャングルジムの頂上に立つ男だ。

 というかこわいのはまわりばかりで、本人は味をしめているに違いない…のが困ったものだ。

 S以外の3人はげっそりして帰ってきた。 これで今後はあの家にあまり行かなくてすむかも(笑)。


 ちなみに、内緒だが、我が家の2階からもすでにやっちゃっているので、2階の網戸にはすべて厳重に内カギがかけてあるのであった。

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2007/07/31
花火大会 「障害児と生きる日常(38041)」 [ 最近のことの日記 ]
 先週土曜日に花火大会に出かけた。

 私たちの住む街周辺の大きな花火大会が2つ重なっていたのだが、Sはそんなすごい人混みに行って、座って何時間も過ごすなんて見方は無理。

 そういうこともあって一昨年は熱海旅行に行って花火を部屋から見る(半分は見ていないけど)ことにしたのであった。

 今年は家族が入院する都合があって旅行に行けないので、花火をあきらめていたのだが、なんとその2つの大きな花火大会以外に、もっと近い町、というかとなり町で同じ日にあることがわかった。

 インターネットで調べてみると、町のお祭りの最後にあるらしい。

 ということで行くことにしたのだが、花火打ち上げ会場は混むだろうし自分もイヤだったので、川原からうち上がる花火を、行ったことのある中学校に車を止めてそこから見下ろそう…と計画した。

 その中学校の先にある記念碑があり、その道路に行き止まりに車が止められることを思い出したのだ。

 そこに向かう途中で川原のお祭り会場の脇を通ったが、案の定、駐車場は満車、人だかり。

 「よし、我が家は貸し切り特別席へ!」とその中学校のある山へと向かった。

 その道に入ろうとすると、入り口で警備の人たちが車を止めている。「あれ、なんで?」とは思ったが、無心のまま、「いや、中学校にちょっと…」と言うとなぜか通れた。

 道沿いに進むとなぜかこちらにも人がたくさん歩いていく。中学校を過ぎてもう少し先に行くと今度は消防車が増えてきた。

 一番奥で車を止めたが、隣は花火業者の車?という感じ。行こうと思った山は「立ち入り禁止」になっている。

 消防署員に聞いてみると、「ここが打ち上げ会場です。」

 なんと私がのんびり見ようと思った場所は打ち上げ場所…中学校は見物場所の主会場でバスがピストン輸送している。どおりで警備が厳しいわけだ。

 しかし、その警備網をくぐり抜け(笑)、車で入れてしまったので、少し歩いてその中学校のグラウンド(見物主会場)に行くことにした。

 一般席はすでに満席。同じ大きさの招待席はガラガラ。あきらめかけたところで、『朝礼台』を発見。Sは日頃から朝礼台オタクなので、ここにのせとけば、飛び跳ねたり、スリスリしたり、座ったり…花火がなくても楽しめるはず。

 待ち時間がかなりあったり、町長の話が15分くらいあっても、困らなかった。

 そして花火大会が始まると、まさに大迫力! こんなに間近に見たのは私も初めてだった。

 最初の一発で、Sはびっくりして親の方によってきた。その後は泣くこともなくだんだん慣れてきてしっかり見ることができて楽しんでいるようだった。朝礼台を走り回れるのがよかったかも。

 途中、連発で小さな花火が鳴ると、まるで機関銃のような音…鳴り始めた時に、Sの腰が引けたのを見られたのはおもしろかった。人間びびるとほんとに腰が引けるんだなあと。

 本当にいい花火大会で、人は少なめ、花火は適度な量、これなら今後も参加できそうだぞと思うのであった。あっ、ただひとつ、車で強行突破の問題だけ何とか考えないと、あの「無心の突破」はもう難しいなあ…。

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2007/08/02
イリュージョン 「障害児と生きる日常(38041)」 [ 最近のことの日記 ]
 先日、療育センターに行った時の話。

 うちの自閉症のあるSは、受付でファイルを渡されるとそれを持ってエレベーターに行く。いつも、扉が開くと走って乗り込もうとするので、「降りる人が降りてから」と言うのだが、混んでないので、残念ながら降りてくる人がいない。

 この日は違った。

 扉が開くと、エレベーターに座り込んでいる小学校2年生のダウン症のある少年がいた!

 着いたとわかって、ムクッと起きあがってダッシュで降りようとしてくる。

 Sに避けさせようとして気がついた。

 この男、クラスメイトのG君である!

 いきなり、私がゲット。

 嫌がる少年をだっこで持ち上げて3階へ一緒に移動した。

 3階に着くと、エレベーター前にG君母がいた。

 「あー、よかったー。ありがとうございました。」

 「1階で降りるところでばったり会ったので連れてきました。」

 「えー、下まで行ってたんですかー!」

 1階に突然現れた少年は、3階から突然姿を消して探されていたのだ。

 自分でボタンを押したのか、こちらが押したから下まで来たのかは謎のままだが、実は彼もSと同じ「脱走仲間」なのである。

 母が先生と話をしている間に逃走。エレベーターに乗ったのだと思うが…。

 それにしても、エレベーターが開いた瞬間に見えた、座り込んでニヤニヤしていた『いたずらな瞳』が頭から離れない。

 おぬしも悪よのう…。

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2007/08/06
バーベキュー&川遊び 「障害児と生きる日常(38041)」 [ 最近のことの日記 ]
 土曜日に、大学時代の友人たちの家族4組とバーベキューをした。毎年、この時期にうちの方まで来てもらっている『安上がりお泊まりイベント』だ。みんなには安い宿泊場所にとまってもらい、うちは家が近いので家に帰ってSに負担をかけずに遊べる…というメリットがある。

 天気とか川の水の量とかいろいろと自然に左右されるのだが、今年は天気もよかった。ただ数日前の大雨の影響で、自宅そばの川はちょっと無理…宿泊所のそばの支流でバーベキュー&川遊びとした。

 小さな川なので流れはちびっ子たちにもちょうどいいのだが、こっちの方が水温が低い。

 Sは、学校のプールでさえ、水温が低い日は何度も上がろうとする…という温室育ちのおぼっちゃま(笑)なので、着替えて勢い込んできたものの、冷たい川に足をつけたまま、不機嫌に。

 冷たい川に足をつけたかと思うと、父に怒ってつねろうとし(別に私が冷たい水にしたわけではない)、川原に戻り、川を羨望のまなざしで見つめ、また冷たい川に足をつけ…と行ったり来たりしているうち(10分間くらい)に、だんだん体が水温に慣れたようだ。

 とはいえ、プールみたいに深いところに入ることは冷たいので嫌がるので、浮き輪いらず。もっぱら他の子たちの大きな浮き袋
…ワニとか竜(エルマー?)に乗りたがり、貸してもらっては水辺でそれにまたがり(乗って浮いたり流れようとはせずに)涼しい水辺でのごろ寝を楽しんでいた。

 さすが自閉小僧、みんなが持ってきてくれる『前と同じ』ものがあると何となく落ち着くのかもしれない。

 ちなみに我が家に昔(大学生時代)からある『カバ』の浮き袋は今やすぐに空気が抜ける。でもこれはSが『陸でくつろぐ場所』として重宝している。

 今年はこの上で、食べるは食べる。少し焼いたキャベツ、生ピーマン、焼いたとうもろこし、豚肉の韓国風味付けの肉以外の部分(それはまわりのたれをなめるだけ)と、鶏肉の皮付き部分…今までこのイベントで見たことがないほどの食欲でびっくりした。

 数年前は、川に降りてきてすぐ泣いて戻った…だったので、まわりのメンバーとかムードにもすっかり慣れたのか、はたまた給食を食べるようになってから「いつどんな場所でも食う時は食うぜ」となってきたのか、いずれにしてもとてもよかった。

 最終的にはキャベツは半玉分くらい一人で食べた。本当は焼きそば用にと思って買っといたんだけどすみません(笑)。 

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2007/08/08
バディ 「障害児と生きる日常(38041)」 [ 最近のことの日記 ]
Sの学校のプール指導は今日までだった。あー、これからは3日に1回くらいは市民プール通いか?

 暑いし、ストレス発散にちょうどよいのと、学校プールは送り迎えと着替えは保護者がやる(特学では)がプール指導は先生にお任せ(マンツーマン)できたのでけっこうよかった。

 ただ、「学校に行く習慣を忘れないために片道(行き)はSを歩かせる」としてしまったので、連日のこの暑さ、片道30分は地獄であった。ちなみにSがプールにいる間に私は車を取りに帰るから、一番運動して、しかも涼しくないのは私だ!

 ひとりではいろいろと大変なようで、もしかしたら市営プール通いの方が楽かも。

 さて、題名の『バディ』というのは、プール指導の時の点呼でやるもの。地域性なのか、古い時代のものだからか、私は生徒としてはまったく知らなかった。大人になって、中学校のプール指導でも見たことなかったかな…夏休みのプール、中学校はガラガラだから点呼とる必要もなかったけど…。

 で、以前、仕事で行った小学校でこれを知った。こどもも大人も気合いが入っている。先生が、「バディ!」というと、児童全員がつないだ手を上に上げて、「オーーー!」

 「○年○組!」と先生が言うと、列の一番前から二人組が、「いーち」 「にー」 「さーん」…………とやっていく。クラス分終わると、最後尾の人が計算して(2倍して1引くか引かないか)、「○年○組 ○○名」という風に叫び、他の先生がそれを記録していく。

 そして、次のクラス…という風に進んでいくのだが、安全面に関わることだからけっこう真剣にやらせるし、はり詰めた空気がけっこうよかった。ちょっと軍隊的と言えばそうとも言えるが、古いものなのか新しいものなのか、私の中では謎のままであった。

 夏休みのプール指導で自分が進行役でこれをやってみると、こっちがよく覚えてなくてかけ声とかタイミングがあやしくても(笑)、それなりにこどもたちがやってくれるので、これがなかなか気持ちよかった。だから、『バディ』というのはこういうもんだと思っていた。

 で、Sの通う小学校。誰かがこのやり方を持ち込んだのか、去年までは確か先生が人数を数えていたと思うのだが、今年はこの『バディ』をやり始めた。

 ただし……『へなへなバディ』…。

 その日の進行の先生の気合いにもよるようだが、声は小さかったり、自分の数がわからなくなったり(笑)で、なかなか悲惨なものを見せてもらった。こうなると、「あー、仕事で行っていたあの小学校は遠泳とかやるだけあって、プール指導鍛えていたんだなあ」と感心。

 Sの小学校も何をやっているのか少しずつこどもたちがわかってきたのか、最終日の今日あたりはまあまあ声が出てきていた。ただし、1・2…ときて、すごく間があって3…と変拍子みたいになるのはどうにかして欲しいが。
 
 で、今回の『バディ』ですごかったのは、以前から「あの先生はちょっと……」と私が目をつけているSの学年の通常級の先生。40代後半男性。遠足の時に「さあせっかくだからみんなで駅名を覚えよう!」と言って、すでに10年前に変更された駅名をまちがえて復唱させていたり、Sと私に校内で会うと「あっ、Aくーん!」と自分のクラスに交流に来る他の子の名前を呼んでくれたりする(どうも区別がついていないらしい。確かに自閉仲間だが…)というなかなかおとばけというか、大丈夫か?という方なのだが……。

 最後に、『バディ』をとったところ、あるクラスの子が「○組全員います!」と言えずにごそごそしていた。

 「どうした!」と先生が叫ぶと……「あっ、いや、さっきより増えています」と児童からの返事。

 間、髪を入れず、「多い分にはいいや!」


 確かにそうだけど、プール外の金網の脇にいた私は、思わず吹き出してひっくり返って笑ってしまった。

 いやあ、この学年の行事、心配だなあ…。

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2007/08/10
一応こだわり 「障害児と生きる日常(38789)」 [ 最近のことの日記 ]
 『自閉症のある人』の行動特性のひとつに『こだわり行動』とされるものがあり、うちのSの場合ももちろんあるのだが、そう強くなく意外とあきらめたりもできる。幼児の頃と比べると、思ったより自閉こだわり部分が和らいだが、思ったより知的な遅れは大きかった……というのが正直なところだ。

 そんなSの日頃のこだわりは、教室で机からはみ出ているイスを直して回ったり、スリッパをまっすぐにして回ったり……。下足箱の中のくつはなぜかそろえず両端に離れている…とかそういう独自のきっちりこだわり。

 夏休みの今はそろえるものがないせいか、いつも以上に廊下のスリッパの位置やリモコンの位置にうるさい。数日前なんか、インターネットをしている私の、左手を着いている位置を直しに来た(笑)。生きてる人はいろいろと動くんだよS君。

 さて、本日はあまりの暑さに、玄関前で水浴び。幼児用のビニルプールはさすがにもうちょっと小さいが…。水に入り、冷水シャワーで少し遊び、庭の葉っぱを拾ってきてちぎって水の中に入れ…一通り終わるまで30分以上。

 その後の一応のこだわりは……シャワー。確かに体が冷えすぎるから温水が気持ちいいのかもしれないが、体をふいて家に上げるとそのまま風呂場に猛ダッシュ。シャワーを出せと要求する。せっかく水浴びしたんだからもういいじゃんと思いながらも結局私も一緒に浴びることになる。ついでにシャンプーとかもしてしまうためだ。

 たぶん…と思うのは、学校のプールを出る時に最後に浴びるシャワー。このことから『水のあとはシャワー』というのが『一応のこだわり』になっているのかと思う。日頃、お風呂に入れたりするのは大変なのに(入るのは好きなくせに呼ばれても行くまいとして抵抗する)、この時ばかりはいつもスムーズ。近所の川に遊びに行っても家に帰ってきたら風呂場に突撃。たぶんSが今後水遊びするようなところならどこでもシャワーがあるだろうからまあいいか。今や海水浴場にだってあるし、別に困るこだわりじゃないし…と思うのだが、どれくらいこだわりになっているのか、わからないままなのである。

 今日は、その後、センターの歯医者に行き、定期検診。といっても普通の歯磨きとフッ素らしき水分をつけての歯磨きをイスに座ってやったあと、診察台に『タッチ』してくる…というメニュー。

 そして、その後は大型スーパーにお買い物。そしてここでの一応のこだわりは…このスーパー1階のたこ焼き屋。もともとたこ焼き好きだがここのは特によく食べる。たこ焼きにかなりうるさい西日本出身の私もここのは認める味である。なので買い物のあとはたいてい寄るのだが、今日は私をぐいぐい引っ張っていった。実は買うまではこだわりではない。買わない時もあるのだ。

 買ったあと、その場で食べるとなると店のすぐそばの簡単な席で、『ラムネ』を飲みながら食べる…のがこだわりなのである。

 今日はお昼をあまり食べなかったせいもあり、おなかが空いていたのか、すぐに食べようとアピール。しかし、いつもは売っている『ラムネ』が売っていない。「今日は仕入れをしていないんですよ」とのこと。あるつもりで、すでに『置いてある見本のビン』を手にとってアピールするSにしてみればかなりのショック。まったく代わりにならないけど一応緑茶を購入。

 席に座って食べ始めて、まだ残っていたマイ水筒(中身はスポーツドリンク)を飲んではいたが、食べるのにいつもの勢いはなく、8個中3個くらいで終了。

 トイレに行って家に帰ろうとしながらも、ふと「そういえばこのスーパーの売り場にあるのでは」と思い、買いに行ってみるとまったく同じラムネがあった! ラムネ1本持って買い物学習。レジが混んでいて、この98円の買い物が心配されたが、ラムネが手に入るということで我慢にも成功。

 せっかくならいつもの場所で飲ませてやるかとさっきのたこ焼き屋の横に再び行った。


 Sはうれしそうに飲んでいる。

 ふと、「またたこ焼き食べたりして…」と思い、少し冷めたたこ焼きを広げてみると……


 本当に食べ始めた。

 そこから3個ほど食べて、計6個で終了。

 さっきもそんなにつらい表情は見せてはいなかったが、やはり『一応のこだわり』に成功した今は、妙な『達成感』に満ちあふれた表情をしているのであった。

 今後、たこ焼き屋がラムネを取り扱わないつもりだったりすると困るので、アピールもかねて、お店のゴミコーナーにキッチリとラムネのビンを置いておいた。

 「今日、販売していないのになぜ?」と驚いていただきましょう…。

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2007/08/14
バーベキュー&川遊び その2 「障害児と生きる日常(38789)」 [ 最近のことの日記 ]
 Sのこの夏2回目のバーベキューは、私の教え子たちとのクラス会だった。
 
 H中最後の年、2年生の時のクラスなのに、一度卒業時に集まったことが良かったのか、多少のメンバーの変遷はありながらも10人以上の規模で毎年続いている。

 そういえばなぜうちのそばの川なのだろう…と思いきや、もう何年か飲み会としてやっているけど今まだ22歳の人たちだということに何らかの秘密がある…かもしれない…が、いやきっと思い違いだ。

 まあそれは時効としても…、何回もやっているといろいろと上手になっているし、説明不要のこともあるし、翌日の私の道具後片づけのことを抜かせば(これは家のそばでやる宿命だ)、ずいぶんと楽をさせてもらえるようになった。

 幹事もしっかりしていて、私はほとんど丸投げで、希望だけ言わせてもらえる。

 今回、当日やったことは買い出しの車を出したことだけで、あとはSを連れて行って、川遊びと一応バーベキュー、それが終わって家に連れ帰ったら、川原にもどってきて、アルコールを飲んだり、ガツガツ食ったり、もらいタバコをして…の楽しい会であった。


 どうやら、Sがこの会に顔を見せるのは6年くらいぶりだったらしい。

 4~5歳の頃ではそれどころじゃなくパニッカーだったろうし、その後は平気だったとしても、たぶん川の方が荒れていたから連れて行かなかったのだろう。泳いではいけないのに川に連れて行ったりしてはバーベキューどころではないからだ。家の前を通ったら、網戸に張り付いて叫んでいるのを見た…という人もいたので、まるで座敷牢のような暮らし…と思われていたかもしれない(笑)。

 それで今年はどうなったか……ほとんど泣きに行ったようなものであった…。

 水につかりたい…でも冷たい…水につかりたい…でも冷たい…「この野郎お前のせいだ!」と父をつねる(もちろん私のせいではない)…この繰り返しのうちに、私にしかられるは、思い通りに行かないは…で、「わーんわーん」 「しくしく」 両方の泣きを見せた。

 川に来たけど、『いつものメンバー(大学の友人たち)と違うし、いつもの乗り物(そのメンバーのこどもたちのワニや竜)がないよー』というのもあったのかもしれないが、なかなかこちらの思惑通りには行かないものだ。

 それでも時折ニコニコして、特にお姉さんにサイダーをもらったりするとこの上なくうれしそうであった。

 今回すばらしいアイデアとなったのが、大きな浮き袋の『カバの係留』作戦。やった男子はまったくSのことなど想定してなかった(笑)のだが、テントを張るためのペグとロープが余っていたので、なんとなく、ふくらましたカバの大型浮き袋を小舟のように係留していたのだ。

 川の流れが速いから、のって流れるわけにも行かず、かといってちょうどいい水たまりもできていない状況の中、浅瀬にあって流れていかないカバの上をSはとても気に入ったようだった。「瓢箪から駒」というのはこういうのかと思った。

 さて、もうひとつの「ひょうたん…」。

 2学期からのSの付き添い募集を、近隣の教育学部や保育学科のある大学に掲示していたのだが、結局見つからなかった。この日来てくれている1名(つまり教え子)が早々と応募してくれて決定していたのだが、その後はまったく動きなし。

 もうすでに時間切れで、翌日S中に電話をして「すみませんが7枠分の講師を探してください(3枠は自分ができる)」というつもりであった。

 が、ふと、「そうだ、学部にこだわらなければ、水曜日に暇な大学生がいたりして…」と思ったので、まさにダメもとでバーベキューメンバーに聞き始めた。全然知らない人なら資格その他にこだわるけど、このあたりの人たちならとりあえず信用はできそう?だし…と。(この人たちを信用しないと自分を否定することになってしまうので…)

 で、授業がいっぱいだったり、留年しそうな人など、意外とOKのとれる大学生がいない中で、突然、その募集ビラに強く興味を持ってくれた女子がいた! 大学生ではないし、すでにアルバイトでしっかり稼いでいる存在だ。一応、今回、有償ボランティアとはいえ、時給にすれば高校生程度…そんなことに反応を示すとこちらも全然思っていなかった子が、「こういうの興味ある。私やろうかな。」となった。

 最初は正直、「こいつで大丈夫かな?(笑)」と少し思っていたが、話しながらよく考えてみると、生きる力は強いし、人と関わるのも上手だし、学校の先生という人種とうまくいくかどうかはわからないが(笑)たぶんSの担任の先生たちとなら大丈夫そうだな…ということで、また本人がこういう仕事に興味を持つきっかけになるとおもしろいなあ…といろいろ考えるうちに「よろしくお願いします!」という気持ちになった。

 ちなみに、「現在、職またはアルバイト探しています」という男子が少し考えてくれていたのだが、「アルバイトが決まると行けなくなる」という状況や、その後すっかり酔っぱらってその話どころではなくなったことにより、急にその場で『補欠降格』が決まったのであった…。

 その彼についても、クラス会のような集まりって、自分の人生が調子悪い時は行きにくいものだが、こうして顔を出してくれたことが結構うれしかった。お母さんが「わらG先生にあいさつしてきなさい」と小遣いをくれた(笑)ってところが、笑えるような笑っちゃいけないような話だが……。

 そんなこんなで、Sがそれなりの大変さとそれなりのかわいさの両方を見せた上でも、2名の付き添いがゲットできたことはとてもすばらしかったのである。これからよろしくお願いします。

 そしてその結果、私がS中の枠を減らすことなく、彼らとの「あの毎日」がまた始まるのである。一度別れる気だった分、少しはかわいく思えるといいのだが…(苦笑)。


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